Update 99/5/27

エミュ通特別記事

任天堂、エミュレータサイトにいやがらせ

 

The Register 99/5/24日の記事  翻訳 by ひとで

エミュレータランキング Top50 ここから投票してください!

 任天堂は断言する。すべてのエミュレータは違法であると。ついに任天堂は、エミュレータを含むウェブサイトの閉鎖を開始した。この金曜日、最初のターゲットに選ばれたのはオランダ人のエミュレータ開発者である、Jerremy Koot氏のホームページ、www.snes9x.comだ。

 今や"マリオ"の最大の敵は、エミュレータの開発者ではなく、エミュレータサイトに場所を提供しているインターネットサービスプロバイダ(ISP)といえるようだ。ISP相手なら見失うこともなく、標的にしやすいから、というのがその理由だ。

 任天堂が最初にエミュレータ反対活動をはじめた頃、標的はエミュレータの開発者に向けられていた。最もよく知られているのは、ウインドウズで動作するNintendo64エミュレータUltraHLEの開発者であった通称'RealityMan'と'Epsilon'に対し、任天堂が法的措置に出ると警告した事件だろう。実際のところ、訴えると言ったところで、任天堂が'RealityMan'や'Epsilon'が何者なのかを特定するのすら非常に困難だったはずだ。それでもこの警告の効果は十分なもので、RealityManはUltraHLEのホームページを閉鎖してしまった。

 EメールでKoot氏に事情を尋ねたところ、Koot氏は任天堂がISPに対してどういう説明をしたのか正確なところはわからないと言う。せいぜいのところ、エミュレータは著作権侵害を助長するものだという任天堂の頑固な見解をなぞった程度ではないか、ということだった。

 エミュレータを動作させるには、ROMカートリッジからデータを吸い出して作ったROMファイルが必要なのだが、このようなコピーが違法であるかどうかがこの問題の焦点だ。よくお目にかかる主張に、ROMカートリッジの所有者であればバックアップ用にコピーする権利が法的に認められており、それをPC上でエミュレータに使用してもかまわない、というものがある。これに対する任天堂の反論は「米国では、バックアップ権はROMカートリッジ内のゲームデータにまで適用されるものではないことが、判決により十分に確立している。」というものだ。だが具体的な前例が挙げられているわけではない。

 この点がソニーのエミュレータ裁判に比べて際だった特徴になっている。ソニーはBleem!やCoonectixといったエミュレータの開発者に対し訴訟を起こしているが、これらのエミュレータに使われるソフトウエアが違法なコピーによるものかどうか、といった問題が争点になることはない。Nintendo64やスーパーファミコンやファミコンエミュレータとは争点が異なるのだ。。こういう違いが出てくるのは、任天堂のハードがすべてROMカートリッジベースというところにある。ただ、任天堂がコードネームドルフィンと呼ばれる、DVDベースの次世代機を発売すればこういった特徴も失われることになるが。

 任天堂がエミュレータの開発者の能力に対して無理解であったり、エミュレータの制作が、単にタダでゲームを遊ぶ目的で行われていると考えているのはいろんな意味で残念なことである。それでもやはり、任天堂や他のサードパーティのROMカートリッジのコピーが、著作権侵害であり違法なのだという主張は正しいといえる。

 


Emulator RingJoin us

mailto:
RinG Master
Next cool site
[Skip Prev] [Prev] [RingList] [Random] [Next] [Skip Next]