プレイステーションエミュレータの開発を行っているBleem社。ソニーはこのちっぽけな会社に対して弁護士チームを結成、次なる行動に出た。ソニーは弁護士とE3役員を引き連れ、Bleem社のちいさなブースへと向かった。そして、プレイステーション実機のゲーム画面と、プレイステーションエミュレータBleem!デモ版でのゲーム画面を比較するスクリーンショットの展示を中止するように求めたのだ。Bleem社の唯一の製品であるBleem!を使ってプレイステーションソフトを動作させると、PCのハードウエアアクセラレーションによって実機よりも美しい画面表示になる。さらにソニーは、Bleem!デモ版を使ってプレイステーションのゲームを展示しないように要求した。 Bleem!社の発表では、今回のE3の処置は、ソニーがBleem!に対して差し止め請求の訴訟を起こしていることに対応したものだという。また、このときBleem社の代表者が、他の場所でもBleemブースで使用しているのと同じプレイステーションゲームを展示している、とソニーに返答したのだが、ソニーの返事は「議論の余地はない」というものだったそうだ。E3の役員もまたこの問題について話し合いを避けた。これ以降、Bleem社はBleem!デモ版を使用してプレイステーションのゲームを展示することを中止した。展示物がないにもかかわらず、Bleem社のブースは今もオープンしている。だがそれはショウ期間中は展示を行うという契約のためだ。
過去、ソニーがBleem!の開発を中止すべく2度も訴訟を起こし、それが失敗に終わったことを、ゲーマーは覚えていることだろう。
夕方になって、ショウ会場のにぎわいが少し落ち着いてきた頃、bleem社のブースではこの言い争いが起こり、ちょっとした人だかりができていた。ソニー側はこの事件についてまだコメントを出していない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ーー 訳者注:この事件のまさに直後、製品版Bleem!がリリースされた。報復?(笑) |