Update 99/4/29

エミュ通特別記事

ビデオゲームエミュレータ、
その険しき道程

 

雑誌Wiredの記事より 翻訳 by ひとで

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 ちょうど2年前、イタリア人の学生、Nicola Salmorla率いる寄せ集めのグループが、あるオープンソースプロジェクトを開始した。それがMultiple Arcade Machine Emulatorであった。MAMEは当初、PC上でパックマンを動作させるソフトウエア・パッチであったが、それが過去の何百ものアーケードゲームを動かすプログラムへと発展した。

 だが、これに対してゲーム産業の業界組織である、Interactive Digital Software Associationは良い印象を持たなかった。昨年の冬、IDSAの調査員は各インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)に、オリジナルのアーケードプログラムファイルの削除を求める電子メールを送った。

 MAMEチームは、「ISDAは肝心な点を見落としている」という。そして、エミュレータはダウンロード可能なビデオゲームの博物館であり、”アーケードハードウエアのドキュメントのコレクションとしては、世界で最大のもの”なのだとSalmoria氏は付け加えた。

 にもかかわらず、ISDAの一連の動きが功を奏し、エミュレータムーブメントは終結したかのようにみえた。だが、この春までには様々なエミュレータが登場し、再び活気づいているようだ。

 Connectix社はVirtual Game Stationを発表した。このエミュレータは50ドルで販売され、Mac上でプレイステーションのゲームを動かすことができる。ソニーはこのエミュレータの出荷を停止するよう裁判に訴えたが、失敗に終わった(訳者注:その後VGSに出荷停止の判決が下された。)

 その直後にはNintendo 64エミュレータ、UltraHLEが登場した。ファイルサイズ169kから成る、現在最先端のこのエミュレータを使えば、17のNintendo64ゲームをPC上で遊ぶことができる。任天堂が法的措置に訴える姿勢をみせたため、開発者のEpsilonとRealityMan両氏は身を隠した。”我々は何でもできるんだ、というところを見せたかった”とRealityManはコメントを残した。

 今回の教訓:異なるプラットフォームの存在により生じていた障壁は消滅しつつある。いつの日か、セガドリームキャストのようなマシン上でプレイステーションやNintendo64のソフトが遊べる日が来るだろう。

 こうしている間にも、MAMEチームは困難に負けず活動を続けている。”もし我々が記録しなければ、50年のうちにすべてが失われることだろう。”とSalmoria氏は言う。50年というのは、最初のアーケードゲームの著作権が消失するまでの期限である。”50年も経てばオリジナルのボードも、もはや修復不可能になるだろう。我々がやらなかったら、いったい誰がゲームの保存をしてくれるというんだ。”


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